むらかみだいあり

買ったものとかおんがくとかの記録。2003年以前は手元に残っているもののみ。

(自分のように)ヴィジュアル系に疎い人に、純粋にサウンド的にオススメのヴィジュアル系のアーティストのアルバムを数枚挙げてください。

「純粋にサウンド的にオススメ」というのをずっと考えたのですけど、「音の面白さ」で考えればよいのか、「個人的なおすすめ」で考えればよいのか答えが出ないまま、回答することにします。前者の意味合いを多分に含んだ回答になります。無論、「曲の良さ」や「個人的な好み」を全く考慮していないわけではなく、挙げる以上はある程度の質は(少なくともジャンル内では)確保できていると思います。一般の方が聴いてもそれほど拒否感なく聴けるかな、と思っています。※長いです

La'cryma Christi「Sculpture of Time」(1997)
まず思い浮かんだのがこれです。個人的にはハードロック寄りになる後期の作品の方が好きですが、ビジュアル系ならではの幻想的な雰囲気を全体に横溢させつつ凝った演奏をする作品ということで、ご質問の内容に合致しているのではないかと思います。ただ、ボーカルにクセがあります。中古でも手に入りやすいです。ブックオフでも場所によっては250円コーナーにあるのではないでしょうか。

Dir en greyWithering to death.」(2005)
ディルアングレイ中期の作品。この後、楽曲がどんどん重く暗くなっていくのですが、この作品は重さに軸足を移しつつもキャッチーさも残しており、ファンの間でも評価が高いようです。活動初期の頃はよく並び称されたPierrotの方を熱心に聴いていたので完全に後追いですが、それでも本作を聴いてディルアングレイをちゃんと聴こう!と思わせるパワーがあります。ディルアングレイはいまも人気なので、中古店ではあまり見ないですね。ブックオフならあるでしょうけど、1,950円コースだと思います。

deadman「in the direction of sunrise and night light」(2005)
ビジュアル系はキラキラきらびやか、音を重ねに重ねてゴテゴテ、というイメージがありますが、一部のバンドは音数を減らすだけ減らしてシンプルに、という方向に行くもので、デッドマンはその代表格じゃないかなーと思います。速い曲はもちろんやりますが、ミディアムテンポの楽曲を得意としたところにバンドの色が見えるかと。いまも活動していれば、ディルアングレイが呼ばれるようなフェスにも呼ばれるのではないでしょうか。低めボーカルに低音をやたらブーストしたミックスがステキ。コーラスが特徴的で非常に好きです。中古は専門店ならあるでしょうが、あまり見たことがありません。本作の場合、最近再発されたので、大型CD店の方が手に入りやすいと思います。

メガマソ「M of Beauty」(2010)
いまのビジュアル系の中で指折りの鬼才である涼平率いるメガマソは難解な詞が好きで、歌詞カードを開いたときの違和感はそれはもう。それでも彼が以前所属していたアヤビエの頃から、書く曲は一貫してポップで、歌詞を斟酌しないで聴く分には曲調は幅広いし、親しみやすいしで、普段ビジュアル系に触れない方にはこのくらいポップなものが聴きやすいのかもしれません。よくよく聴くとサウンドも歌詞同様に凝っているのも面白いです。シングル曲のストレートっぷりとアルバム曲のマニアっぷりの落差がヒドいですがそれも味ということで。エイベックスから発売されていますけど、中古では見たことがないですね…。ファン以外にはよほど売れなかったのでしょうか。ブックオフなら1,550円で置いてそうです。

rice「ラブレイン」(2002)
彼らをビジュアル系としていいのかは悩ましいですが、たぶんいいでしょう。ボーカルとドラムの変則編成で、ほぼすべての楽曲にチェロを入れています。このバンドは楽曲もさることながら何といってもボーカルのうまさが売りなのではないかなと思います。編成の関係で、採り入れる楽器に幅があるのも特徴的で、ビジュアル系的な楽曲はほとんどないです。何しろ世に出したカバー楽曲が「ハナミズキ」ですからね。これでもメンバーが以前参加していたラファエルはバリバリビジュアル系だったんですけどね。中古では本作を含む初期の作品が最近よく流れるようになってきました。ブックオフでも500円コーナーじゃないでしょうか。

Aioria「煌め逝く瞬間」(2002)
わたしが好きなバンドマンにミサ(デブでハゲ)という人がいます。メロディーの引き出しが少なくて、どこかで聴いたようなフレーズが出てきたり、昔のバンドで演っていた曲のエッセンスを拝借して新しい曲を作ったりするような人ですが、書く曲は見た目に似合わずほんのりクラシカル、打ち込みでチェンバロ的音を被せるのが好きな人。彼が参加したバンドの中で、彼の色が最も良く出たバンドがこのアイオリアだと思います。ブックオフ等一般の中古店ではほとんど見ませんが、専門中古店なら1,000円を切るくらいで置いてると思います。

Laputa「誘〜New Temptation〜惑」(2002)
根強いファンを持つラピュータの後期の作品。ベーシストの趣味だと思いますが、デジタルサウンドというか打ち込みを多用している作品で、初期からのファンにはけっこう抵抗があったのではないかと想像します。ただ、そういうものだと割り切ればなかなかよくできているのではないかと思います。打ち込み過多になっているようで、実はバンドサウンドとのバランスが絶妙。出荷枚数が多くない割に中古では見かけやすいと思います。ブックオフの500円コーナーでも見たことがあります。

Kagrra「gozen」(2002)
衣装は一時期を除いて着物、歌詞カードは縦書き、英語はおろか片仮名も使わない、そんなバンドです。インディーズ末期の、そこはかとなく和風の香りを漂わせている時代が好きです。活動末期では筝を導入していましたけど、予算が限られるインディーズで手持ちの楽器で雰囲気を出そうと腐心するのが合っていたように思います。楽曲はほんといいですよ! オーソドックスな編成でここまでやれるのが不思議ですが、メロディーの選び方がいいんですかね。ただし、ボーカルにクセが(ry 中古では一度見たことがあるかどうかくらいの難易度です。あれば専門店でもそこまで高くないとは思うのですけど…

なんだか2002年の作品ばかり…。と、ここまで書いておいて何ですが、JILSを聴けばすべてが解決するようにも思います。ただJILSはそこまで詳しくないので。あと、別にルナシーやエックスジャパンやグレイやラルクアンシエルで十分だよ!というのもひとつの意見としてあるように思いました。