むらかみだいあり

買ったものとかおんがくとかの記録。2003年以前は手元に残っているもののみ。

RUNA「Adolf in the mirror」全曲レビュー

ex.賛美歌で一部におなじみの弥舞姫(yabuki)率いるRUNA*1のアルバム全曲レビューというかほとんど実況。 トゥウィッター用に用意していたのだけどあまりな量になったので、トゥウィッター投稿を前提としたままの文体でまとめてドロップ。 字数まではきちんと確認していないけど、改行ごとに1ツイート、聴きながらツイートしている、という体で。以下。(11/2/23 「ゆりかご」所収について修正しました)

そもそも弥舞姫って何者か、ということについては、「さわやかトラウマ日記」さまの記事が詳しいのでそちらをご覧ください。端的に言うと、2chのコピペで有名な「ジャーン(Am)」の人です。
舞姫の概略その1:http://d.hatena.ne.jp/maemuki/20041209/p1 その2:http://d.hatena.ne.jp/maemuki/20041211/p1 その3:http://d.hatena.ne.jp/maemuki/20041214/p1
舞姫の代表バンドは賛美歌で、ジャーン(Am)も賛美歌時代に産まれました。キサキ→アンダーコード、ミチル→ループアッシュ、カイキ→ソレイユ、ヤブキ→オフィスレクイエムってくらいのビッグネーム兼えらい人です! 嘘です!

<アルバムについて>
取り上げるのは、RUNAの2枚目「Adolf in the mirror」です!
RUNAは、弥舞姫が取り組んでいたバンド。最近バンド名をAnt1nettに変更しました、けどここではRUNAで統一します!
RUNAは賛美歌同様地味すぎて誰も気付かないメンバーチェンジをしつつ、フランスに拠点を置いて活動しています。なんてワールドワイドな!!
アルバムタイトルは直訳すれば「鏡の中のアドルフ」でしょうか。アドルフというのはたぶんアドルフ・ヒトラーでしょう、物騒な! 本作を引っ提げたワールドツアーでベルリンに行くのだから、弥舞姫の肝の据わりようったらありません! 惚れる!
つうか、CD背には「賛美歌 鏡の中の多重人格」って書いてますよ。RUNAじゃなくて賛美歌のアルバムだったのか! シラナカッター!
1枚目はありていに言ってしまえば賛美歌の頃の曲が多くて、その点ではがっかりだったんですね。
でもメジャー1枚目はインディーズ時代の集大成とも言いますし、RUNAはメジャーではないですがそういう位置づけだったのかも! となると2枚目は全編オリジナルが期待できそうです! じゃあ聴いてみます!

1. ブリュッセルの幻影

いきなり賛美歌の地域限定の同名シングルの焼き直しです。あれ?
荘厳な鐘の音からスタートと、アルバムの始まりにふさわしい導入ではないでしょうか! これにシンセやエレキを重ねて、ドラムも入ってイントロを作り出します。
舞姫の第一声がいきなりオーバーダブ! まったく噛み合っておらず、2種の声がどちらも台無し!
語ってんのか唄ってんのかよくわからないまま、唐突にサビが始まりました! 賛美歌版は、サビ前のフレーズがもっとあって自然にサビに入りますよ? そう考えて聴くと、RUNA版はサビ前がブツ切れになってるような・・・
このサビ、「1945」のメロディーにちょっと似てます。サビの裏拍でスレイベルが鳴ってます。裏拍のスレイベルって、楽器が重いから面倒なんだよな・・・誰がやってるのか知りませんけどこれはすごいです。
Aメロ?が20秒足らずで終わるのに、サビが同じフレーズを4回繰り返して約1分という歪な曲の構成です。
ルアージュのカズシが「この場所に、幸せを・・・」と言ったのに似たトーンで弥舞姫が語り始めました。その後ギターソロ。
いや、ギターソロが始まったと思ったらものの数秒でフェードアウト、オルガンとピアノが前面に出て別フレーズを奏でだしました。なんだこれ! ギターソロ報われない。賛美歌版ではちゃんと長くやらせてもらえてるのに・・・
舞姫がオルガンをバックに消え入りそうな声で切なく唄います! このへんのアレンジも賛美歌版とは違います。
そのままサビに戻りました。やっぱり同じフレーズを4回繰り返し、1分以上後奏が続きます。
鐘がガランガラン鳴ってる中をシンセが鳴る後奏でしたが、ブツ切れされて、結局アコギで終了という謎ENDです。こんなわけのわからない曲が続くのか?と不安にさせるには十分な1曲目でした。

2. 多重人格

賛美歌前身の舞時代にもやっているようですが、基本的にはthe orgasm Futuring yabuki名義のシングル「未完成 -unfinished-」所収曲の焼き直しだと思います。Futuringって何だよ。future? そしてまた焼き直し?
録音時間がほとんど一緒なので、焼き直しですらない再録の予感もしますけど、the orgasm〜名義のほうがはるかに音がいいです。RUNAのミキサー誰だよ・・・
曲はドラマティックなピアノに乗せて弥舞姫が語ってスタート。そして「多重人格・・・」とオーバーダブされたクサビの一言。あれですね、デュールクォーツでサキトが「自殺、願望・・・」と言うのと狙いは一緒ですかね。
クサビのあとは「Sa・Ga2 秘宝伝説」のチェーンソーの音みたいなへんなギターがブオーンと鳴って、狂気の世界の幕開けです!
ドラムの手数が多い! がんばってる! タカトコトコタカトコトコタカトコトコタカトコトコバーンバーンバーンくらいやってます。ギターもダビングしててかっこいいです。
すべての後拍にスネアを入れるタイプの疾走エイトビート、普通にバンドサウンドです。賛美歌らしくない感じ!
舞姫がシャウトします! なんて言ってるのかさっぱりわかりません!
舞姫の歌に乗せてバックは1小節ごとのソロ回しみたいなことをやってます。オルガン→チョッパーベース→オルガン→ディストーションギター、が2回。カコイイ。カコイイ。
サビは何か聞き覚えがあると思ったら、これはアレですよ、FANATIC◇CRISISの「P・E・R・S・O・N・A」のパkゲフンゲフンそっくりです! このままマッドゥウェンデイナイッ!と言われても違和感ない。
サビのあとは落ち着いたピアノに乗せて弥舞姫がしっとり唄います。ここは悪くないです。
ギターソロです。3拍分使った上昇形とかトレモロとか。
再度サビ! どう聞いてもやっぱりファナ(ryです! はるか遠くでうっすら鳴ってるギターがリフをがんばってる!
2拍3連を交えて大サビに突入します! 大サビ突入直前に32分休符くらいの微妙な溜めがあるのがきもちわるい!
ゆったりしたテンポでしっかり聴かせる場面。コーラス重ねすぎです! ぼんやりしてます! そのままフェードアウト。
いやー、これ展開がとっちらかってていいですよ。個人的には弥舞姫入門としてはA.C.I.Dよりおすすめしたい曲です。
うわあああライブ版が落ちてました! サポートで演奏した人が自らあげてます! GJすぎる。是非! → http://www.youtube.com/watch?v=dI2GtGqhByQ

3. 心の奥の暗闇

やっと新曲っぽいです。
バンバンバンバンと8分を叩くドラムに乗せていきなり威勢よく弥舞姫の声が聞こえますが、グネグネしてて何言ってるのかさっぱりわかりません! バックのシンセがまたしょぼい!
ギターが入ってきました。でもリフの練習みたい、これOKテイクなの?てな感じのしょぼい音です。
しかも意図的なのでしょう、全体のボリュームが安定しませんで上下します。脳がぐわんぐわんした感覚になります。
全編通して、歌詞カード見ないと弥舞姫が何言ってるのかわからない!
拍子の合わなさを抜いてもなんかおかしいな、デモテープくさいなと思っていたら、どうやらこれベースが入ってないですよ・・・
舞姫の声にワゥワゥワゥワゥとへんなエフェクトがかかってますよー。
いやほんとこのギター、これでいいわけ? ドラムもせっかく生なのに揺れまくってる。生ドラムなんて使わっておらず打ち込みでは?とも思いますが、打ち込みではこの揺れは表現できないと思います!
ギターとドラムとシンセがすべて噛みあってないスゴい曲です。なんでこれを発表しようと思った・・・
最後までヘンなノリのままで終わってしまいました! これをナイトキャップにするときっと悪夢が見られると思います!

4. 水門を開け

これもたぶん新曲です。が、1分ちょっとの短いインストです。
ザ・ジャガーズがカバーした「シーサイド・バウンド」のイントロのアタマみたいなウニョウニョした感じが続きます。
フリージャズのドラムに拍子もリフもメロディーも合ったものではないギターが絡んでるようにしか聞こえない・・・。
ドラムはライブにおけるソロのようにフリーダムにやたら叩いてます。リズムも何もあったものではない。
途中からサイレンがウワーンウワーンと入ってきます!
サイレンが入ってくるあたりから、謎の男が「おーい! ○×△□」と遠くで叫んでます・・・「よしっ! 水門を開けーっ!」と言いました! なんなんだこれ。
ギターがジャランジャランジャランと鳴りながら終了しました。この曲でどうしたいのか・・・さっぱりわからない・・・

5. コンスタンティノープルの鐘の音

賛美歌の地域限定の同名シングルの焼き直しです。シングル版はサビ途中でフェードアウトするVer.01とギターソロからフェードインするVer.02があるのですが、実質これがくっついた感じかな?
ドラム2小節からのスタート。ストリングスっぽいシンセを乗せたイントロがゴージャスです。けっこうバンドっぽい音です! でもスネアにリバーブかけすぎ!
イントロの中ほどで弥舞姫が「ウワーゥアウアーッ! ウワーゥアウアーッ! ウワーーーーーッ!」と雄叫びをあげています! これ、かなりボリュームを下げて重ねており、「耳障りな変な音が」と思ったら弥舞姫の声でした・・・
この曲のギターはけっこうまとも! イントロのフレーズは好きです。
Aメロが始まるとエレキがなくなりアクースティックギターでフレーズを奏でます。
Bメロはうっすらアコギもエレキも重ねていますが、一番きこえるのがシンセ! さらに「ウォーーー、ハァーアァー」と弥舞姫本人の脱力コーラスに乗せて語り!
オリジナルは偶数拍のアフタービートから全拍打ちに変わるベッタベタなサビなのですが、このバージョンのサビはなぜかバックをすべて消して、雷みたいなSEが流れるのみになってます!
で、2度目のサビから本来のバックに。ドラマティック感を出そうとしているのでしょうか。でもこういう効果って、1番の最初のサビでやるんじゃなくて、曲の最後のほうで出すものなんじゃないの?
サビが終わったらオルガンが入ってきました! 荘厳です! ドラムは16分をずっと叩きながら随所にアクセントを入れています。
うわー、またサビだー! 溜めなし→溜めあり→溜めなし→溜めありで4回サビを繰り返してギターソロに入ります。
また語りが入りました。この時点でもう5分超えてます!
一旦曲の流れを切って、止めにかかりました。シンセで収拾つけようという中、高らかに鳴り響くコンタンティノープルの鐘の音! そのままフェードアウトで終わりです。
なんかサビがクドいなあと思っていたら終わり方はやけにあっさりです。もう少し工夫の余地があったんじゃないでしょうか。

6. 咲き乱れた花のように

賛美歌シングル「1945」所収曲の焼き直しです。もう焼き直しであることには突っ込まないことにしよう。
前の曲が鐘の音でフェードアウトと思ったらこの曲は鐘の音でスタート! 生意気にも合わせてきました。もともとそういう曲なんですけど。
ラグでしたっけ、ンチャンチャンチャンチャとした安っぽいシンセのリズムに乗った、これまた安っぽいシンセの音色が耳に残るイントロです。上物シンセの音の伸ばし方がなんかおかしい。このドラムは打ち込みですかねえ。
AメロはまたしてもFANATIC◇CRISISの「P・E・R・S・O・N・A」くさいです。子どもが身を守るための警報機みたいな音がバックでピャオヤオヤオヤオと流れます。どういう意図?
この曲は珍しく弥舞姫の唄が聞き取りやすいです! サビも高いなりにあまり無理してない感じがします。
サビが終わっての「ドゥリーム、オブユゥー」というあたりのパートは悪くないです。
2番も1番とほぼ同じ構成で、「ドゥリーム、オブユゥー」のパートを何度か繰り返します。
舞姫にしては珍しく転調しました! それはいいのですが、同じフレーズを何度か唄って放りっぱなしという感じなので、どうも終わりがいい加減です。
最後は急激にフェードアウトして賛美歌版にはない鐘の音で終わり。最初と最後に鐘の音を配して、それなりには気を配っているようですが、全体的に地味目という印象は拭えません。

7. オリーブ

賛美歌シングル「Olive」の焼き直しです。賛美歌時代と明らかに違うのは、サビ始まりの点!
どう考えても開始時のボリュームを間違えてます! 唐突に「きみのことー」と言われても何が何やらさっぱり!
そしてせっかく始まったサビもすぐにフェードアウトして、賛美歌時代のイントロがスタート。ちょうど賛美歌版との収録時間の差分くらいがOPのサビのパートです。そのサビでいったい何がしたかったのか。
本来のイントロが波のSEとともに始まりますが、珍しく控えめなシンセとドラムがゆったりした流れを作って悪くありません。これにギターが旋律を奏でるイントロ、シンプルな音が耳に残ります。意外とバランスいいです! カモメ?の鳴き声のSEも入って海っぽい!
唄が始まるとズコーとなるのが弥舞姫関係の特徴ですが、そのズコー感はこの曲ではある程度抑えられています。珍しく情感がこもっているような気がします。
あまり突っ込むポイントのない普通の曲です! アレンジもスタンダードV系っぽくて悪くないと思います。
と思ったら2度目のサビでのコーラスがなんかおかしい! ハモってるつもりがハモれてないです!
悪くないギターソロが終わるとバックを減らしてのサビ、そうそう「コンスタンティノープルの鐘の音」もこうすればいいんだよ。
大詰めまで来てアコギを重ねてきたー! ちゃんとしてる!
そのままサビを絡ませながら締めにかかります。が、どんどん残響が大きくなります! そしてストリングスを最後だけちょろっと入れて終わります。これが不自然。賛美歌版みたいに素直にフェードアウト+波の音ENDでいいんじゃないでしょうか?
マリスミゼルの「エーゲ」(ガクト時代)をわずかに思わせる雰囲気で、楽曲としてはアルバム収録曲中いちばんしっかりしているのではないでしょうか? これなら人に聴かせても大丈夫かもしれない。

8. めまい

賛美歌ミニアルバム「甘く危険な香り」所収曲の焼き直しです。曲中、「甘く危険な香り」というフレーズが出てくるように、かのミニアルバムにおいてはそれなりに重要な曲です。
オリジナル版にないAメロの囁きが入ってからスタート。オリジナル版のイントロにつながります。
オリジナル版にこの余計な部分の時間をプラスすると、今回の「めまい」の曲の長さに。ということは・・・
オリジナルに比べて録音レベルが低いです。同じ曲ならもう少し音量をですね。
ミニアルバムでは比較的まともな曲なので、弥舞姫が絞り出すように声を出しているところ以外はとくに突っ込みどころがないです。
電子ピアノなんでしょうけど、ピアノが大活躍で、弦楽器の出る幕がありません。
ていうかこれ、ベースはともかくギター入ってるんですかね・・・。ソロもピアノソロです。
ソロの間に「陽射しが、眩しすぎて・・・」などとつぶやいていますよ。語りはビジュアル系の基本!
2度目のBメロ後のサビで転調きたよ!
大サビ?での弥舞姫のコーラスがおかしいです! 「ナァー、ナァーナァー」ってなんだこれ。
最後の最後でギターが来ました! 情感たっぷりの弥舞姫の声とエレアコに被さるのはカモメの鳴き声SEと鐘の音! なんたるワンパターン!

9. 9月の雨

賛美歌のデモテープの焼き直し。デモテープは聴いたことがないので聴くのは初めてになります!
イントロなし、ゆったりと唄いだす弥舞姫の声にアコギが重なります。
雨のSEが入ってきました。ワンフレーズ唄って、本格的に曲を始めるパターンですね。
アコギにSEからシンセを入れて、コーラスを入れて、ベースを入れて、ドラムを入れる、っつう徐々に曲に厚みを持たせる姑息な手法を用いています! 普通に聴ける!
曲のアレンジは悪くないのですが、相変わらず歌唱力が追いついていない感じです!
サビ前にはエレキも入って、ストリングス風のシンセがさらに盛り上げます! 王道のミディアムバラード!
こういう曲でエレキのソロが入ると締まりますねー。次のサビに入ると唐突に消える謎ミックスですが。
この曲も大詰めで転調だー! シンセの音量が大きくて、サビで何を唄ってるかわからない!
最後はバックを大幅に削って、遠雷も聞こえる風雨のSEとうまく言葉にできない音の中で弥舞姫がラララ言ったまま終わります。
曲はそこまで悪くないですね、でも歌唱はよくないです!

10. 天使の羽

賛美歌ファーストシングル「聖夜に響く讃美歌の調べ」所収曲の焼き直しです。
ファーストシングルは賛美歌史上唯一まともな音質だと思います。ちゃんとしたバンドサウンドなので、ファーストシングルを最初に聴くことは逆におすすめしません!
超低音シンセからドラムフィル導入のイントロ。カウント相当のハーフオープンのハイハット2拍→スネア16分を2拍のベタな導入です! これに疾走感あるギターが乗ります!
シンセで作ったのか生声なのか、謎のコーラスがうっすら入ってきたかと思ったら3+3+3+3+2+2のオーケストラルヒット! シンバルも当然それに合わせて余韻を出さずにミュート! かっこいい。
楽器隊がとにかくちゃんとバンドバンドしています! ボーカルが入っている中で散りばめられるフレーズがビジュアル系バンドっぽい! これはおかしい!
まあ賛美歌としては初期の音源、メンバーもまともに揃ってた頃ですからね。そりゃまともな音になるか。
「ウゥーウ!」とへんてこフェイクで入るサビでかぶせられたコーラスも弥舞姫ではないです。おかねかかってる!
ギターソロが終わったら突然ドラムと打ち込み?だけになって弥舞姫の声と語りが入ってきました! なんだこの約15秒間!
舞姫の声がSE的に用いられて左右にパンされまくるので、トリップしそうです! 天使の羽に連れて行かれる!
謎のパートが終わるとまたサビです。ちゃんとしてます。
最後はやっぱり3+3+3+3+2+2でキメEND! かっこいいよ!
わかってましたがこれらの中に入るとずいぶんまともなバンドサウンドですね。でもこれが賛美歌もといRUNAの音だ!と思っちゃいけない!

11.ゆりかご

おそらく新曲、ですが「甘く危険な香り」のセカンドプレスに追加された曲の焼き直し。2分足らずのインストです。
シンセとか鐘の音とか、「9月の雨」で使った音を中心にした静かなインストですね。
このあとの「白い街角」への導入としてはよいのですが、「天使の羽」からのつなぎとしてはどうかと思います。「9月の雨」とくっつければいいのに。
えらいまともで、いじりようがない曲! どうした弥舞姫
もしかしたら彼以外のメンバーが作ったのかもしれませんね。それくらいまともな小品です。

12.白い街角

最後の曲です。これも新曲でしょうか? 過去のライブラリからは見つけることができませんでした。
レコード再生のようなノイズ処理をしている中にオルガンとガットギターの入る静謐なイントロです。
しかしそれをぶち壊す弥舞姫のウィスパー!
メロが始まるとなぜかボッサ調! 後拍で入るタンバリンがださいです! 弥舞姫はウィスパーの延長で唄ってます。
でもメロディー自体はそんなに悪くない気がしますね。安いアコーディオン調の音が気になりますが・・・ピアニカっぽく聴こえます。
サビになったらどういうわけかボーカルのつまみがギュルギュル回ってます! バックの演奏から前に出たり埋もれたり。意味不明! 弥舞姫の圧倒的な声量のなさが引き立ちます!
間奏でベースもドラムも鳴っていない中、エレキギターアコーディオン?がユニゾンソロ! なんだこれ!
ドラムがフェードインしてからガットギターソロに遷移するのですが、バックのドラムが素人でもやらない糞ビート! なぜガットギターにツタツタを乗せるんだ!
サビに戻りましたが、やっぱりドラムはツタツタです。V系史上最も迫力のないツタツタ。スネアは無駄にフラ打ち。
音が薄っぺらいのは、やはりベースがないからでしょうか・・・
なんかスネアというか、マーチングドラムを叩いてるような音なんですよねえ。その八分に乗せて、「貴方に逢いたくて、逢えなくて・・・」と切なく唄う弥舞姫
そのままフェードアウトしていくかと思いきや、雨?のSE! 意味わかんない。
ざっくり聴いた曲の印象はあまり悪くなかったはずなのに、なぜかツッコミだらけの曲になってしまいました・・・

まとめ

・・・蓋を開けてみたら最低8曲は焼き直し、新曲は最大4 3曲、うち2 1曲がインストというどうしたらいいかわからない再録無双。楽しみにしていたのに。
全体的に賛美歌時代より音が悪いのもいただけないですねー。スネアの音が若干高くなって、スッカスカ感が増しています。もう少し低めのミックスでいいんじゃないでしょうか?
デキとしてはファーストアルバムの方がいいかもしれません。
おすすめは「多重人格」ですが、曲の構成のとっちらかり方云々以前にこの曲の何がいいって、ベースがしっかり聴こえることなんですよねー。ベースが聴こえることの安心感というのがよくわかります。

*1:現Ant1nett