むらかみだいあり

買ったものとかおんがくとかの記録。2003年以前は手元に残っているもののみ。

AGAPE store#8「しかたがない穴」@シアター・ドラマシティ

モスを出て、新御堂筋を北上する。学生の頃、テアトル梅田のレイトショーを観るときなんかによくとったルート。ちゃんとどこで曲がればロフト(テアトル梅田はロフトの地下)に出るか覚えてる。ロフトに来ると梅田コマが見えた。場所をちゃんと確認してなかったけど、やっぱりロフトのすぐ側か。やってきた会場は、でかい。私的イメージでは「関西で最大級の演劇用ホール」なのででかいのも当たり前だが、こんな会場で埋まるのか?と懸念を抱く。しかしどうしてどうして、ほぼ満席。これも倉持裕岸田國士戯曲賞を受賞したから?
今回はいちおうホラー。パンフの言葉によれば、「強力な求心力を持ち、解放は望めない『曖昧な恐怖』」とのことだが、すごくよくわかる。具体性は伴わないけれど、何かが違うことによって生ずる恐怖が徐々に積み重なっていく感じがあった。終盤の狂った感じも怖い。笑える場面なんてほとんどない。いままでのAGAPEとは確実に違う。
舞台は唐突な場面転換を伴いながら、そして同時刻の出来事をいくつか重ねながら淡々と進む。ただ、説明が少ないせいで、転換後の状況を把握するまでにしばらくかかることもしばしば。そんなことが続くにつれ、徐々についていけなくなり、疑問の山にうずもれそうになる。最後のほうでようやく疑問を解消してくれるような出来事が起こるのだけれど、あまり助けにならず。終わり方がまた唐突で、これに至っては意味がわからない。あと何回か観ないとたぶんわからないと思う。これについてはDVDを開演前に予約したので、到着を待とう。
パンフがすごくいい。情報もりだくさん。正直、今回初めてパンフがいいと思った。ただし、完全ネタバレを含むので公演前に見てはいけません。ネタバレ以外の部分も観てから読むと腑に落ちる部分が多数。事前にパンフを見る習慣がなくて助かった。