むらかみだいあり

買ったものとかおんがくとかの記録。2003年以前は手元に残っているもののみ。

Ant1nettロングインタビューまとめ

オフィシャルHPもなくなり、活動の場をフェイスブックに移しているAnt1nettだが、ロングインタビューが分割して掲載されていたのでまとめた。ちょっと見づらかったので多少編集しているが、基本訳文ママ(英語インタビューと日本語訳が併記されている)。バンド名を間違っているところがあるけど、訳文ママ。

―――Ant1nettは2010年の5月に結成されました。その前にも別のバンドで活動をしていましたか?

PiCa は 2000年前後、まだ10代だった頃に賛美歌(Sanbika)というバンドで、メジャー・デビューしました。
ポニーキャニオンというレコード会社に所属して、渋谷公会堂をはじめ、日本全国をツアーで廻ってました。
その後、2004年を最後に日本を離れ、RUNA というバンドでアジアを中心に活動していました。
Ant1nett は、音楽活動における最終目標である欧米に進出するためのバンドというかプロジェクトの総称です。

―――バンド名の意味は何でしょうか?Ant1nettとはいったい何を意味しているのでしょう?

フランス革命における悲劇の王妃として、マリー・アントワネットの存在をご存知かと思います。
ベルサイユ宮殿での貴族文化が華やかだった半面、パンを食べることにすら事欠いた一般市民が武器を取り、革命を起こしました。
Ant1nettのテーマは、狂った優雅・・・そして、革命。
言葉だけでは説明不十分かもしれませんが・・・ PiCa の音楽を聴きながら、それらのテーマを思い浮かべていただければ、理解が早い気がします。

―――あなたたちは、「一番にはなりたくない。オンリーワンになりたいんだ。」とおっしゃっていました。多くのバンドが一番を目指すと思います。何故"オンリーワンになる"ことを目指しているのですか?

世界一といえば、マイケル・ジャクソンなどが浮かびますが・・・
現実的に考えて、アジア人が世界一になるのなら、音楽シーンは廃れてしまうでしょう。
テニスも卓球も共に英国生まれのスポーツですが、中国人が王者である卓球は世界的とは言い難いでしょう?
欧米人が王者でないと、世界的なム−ブメントは起こせません。
その答えは歴史の中にあります。

ならば、我々はオンリーワンを目指そう!
オンリーワンであるならば、かえって異邦人の方が有利かもしれない。
そもそも、PiCa にとって、音楽シーンの王者など夢でも何でもない。独立国家を創ることこそが夢なのだから。

―――バンドメンバーとはどのようにして出会いましたか?長くからの知り合い、あるいは偶然出会ったのでしょうか?

リーダーであるベーシスト、MOKKO Lee とは、2003年当時、ライブ・イベント"Neo Visual Shock" のゲストとして
PiCa のセッション・バンド "RUNA" でベースを弾いてもらって以来・・・ 気持ち悪いことに現在に至るまで続いています。

"RUNA" は賛美歌(Sanbika)と違って、遊びのセッション・バンドだったので、練習スタジオでバイトしていた変態でも「弾きたければ、どうぞ」ってノリでした。
その変態とは言うまでもなく彼のことです。当時は、まさか "RUNA" が海外進出のきっかけになるとは、夢にも思っていませんでした。

ギターシンセを練習中の MISAKI Sakura は、例のライブ・イベント"Neo Visual Shock" に出演していた花魁(Oiran)というバンドのボーカリストでした。

当時から仲良しだったのですが、今年の夏、同じく "Neo Visual Shock" (ちなみに主催者は PiCa です)に出演していた共通の知人がいる乙龍(Kiryu)というバンドのライブ会場で久しぶりに再会しました。彼は、ボーカルは断念しましたが、ギタリストとして世界を目指したい意向で、バンドの内部事情でライブが出来ない状況にあったPiCa にとっては、気の合う仲間とバンドをするラスト・チャンスといったところです。

条件次第では、来年、この3人でワールドツアーに出る可能性もあります。

―――あなたたちの音楽はかなり独特でどこかミステリアスなところがあります。書くときに何がインスパイアしているのでしょう?特別な音楽の女神がいたりするのでしょうか?

基本的に PiCa が作詞・作曲・編曲の全てを行っています。
PiCa の人生はインスパイアの連続です。音楽の女神が微笑んでいるというより、地獄の才能を与えられたと言った方が正しい気がします。

―――あなた方の曲全ての中で、"Constantinople"と題されたものに興味を引かれました。歴史と関係があるのでしょうか?もしかして"コンスタンチノープルの陥落"と関係があるのですか?

はい。"コンスタンチノープルの陥落"の際に戦争孤児になってしまった少女を題材にした曲です。
ところが・・・ PiCa は一切、音楽を学んだことはなく、大学の専攻は歴史でした。

―――2011-2012年にワールドツアー"Ant1nett in Wonderland"を行われました。アメリカ合衆国、メキシコ、ポーランドベラルーシ、ロシア、そしてルーマニアを回られました。これはとても興味を引くものであり、これについては絶対に尋ねずにはいられません。ブカレストに来た大半のバンドはブカレストにだけ行きます。それはブカレストが首都であり他の場所よりも多くの人がいるためです。ボトサニはかなり小さな街です。あなたたちは何故ボトサニを選んだのですか?

各国の首都では大きなライブが可能です。それは、それで嬉しいのですが、個人的には小さな都市が好きです。
PiCa にとって、音楽活動は、独立国家樹立のためのプロセスに過ぎません。小さな都市では、ライブだけでなく、その土地の文化や人間模様も感じられます。
それらは現在、執筆中の小説 "No smoking hotel" にも大いなるインスパイアをもたらしています。

―――あなたはピカチュウが大好きなようですね。実際あなたの芸名PiCaもピカチュウから来ています。何故ピカチュウなのですか?

ピカチュウが大好きというよりも・・・ PiCa こと Sergei Von PiCa Don は The Best of Pikachu なのです。
Ant1nett においては MASANORI "PiCa" Yabuki が正式な名前で、PiCa はニックネームなのですが・・・ ファンの人が PiCa を広めた結果だと思います。

―――共産主義への関心はどこから来ているのでしょうか?

資本主義社会の行き着く先は、1%のスーパーリッチと99%の貧乏な奴隷労働者。
社会主義の名残が今なお残る欧州の方々には理解が難しいかもしれませんが、米国に次ぐ資本主義社会に生きる日本人は、それを実感し始めています。
何と日本人の年金支給額は、ギリシャの半分以下なのです。
マルクスの唱えた共産主義がただの理想論であったことは、20世紀に証明されています。
権力が中央に集約される共産主義は結果として、スターリンやチャウシスクのような悪しき独裁者を生み、理想は遥か遠くに追いやられてしまいました。
しかし、もし小さな国家の元首が PiCa だったら、暴走しつつある資本主義に歯止めをかけ、一生懸命に働く人々が笑顔で暮らせる世の中になるでしょう。

―――あなたはマリー・アントワネットとマルク・シャガールに影響を受けていると思います。彼らはあなたにとって何を示しているのでしょうか?

マリー・アントワネットについては上述の通り、革命における悲劇のシンボルとしての興味です。
そういう意味では、ジャンヌ・ダルクでも良かったのですが・・・ すでに、そういうバンドいますからね。
マルク・シャガールについては、あの青の世界に惹かれるものがあります。そういうミステリアスなヒューマン・メッセージにもしも旋律があったなら・・・
それが Ant1nett であると言われる日が来るなら本望です。
ともあれ、PiCa の音楽は、その辺のくだらないロックとは異なることを証明してみたいにゃん!:3

―――あなたは8年前に日本を離れたと聞きました。それは本当でしょうか、それともただの噂でしょうか?

前述の通り、PiCa は 2000年前後、賛美歌(Sanbika)というバンドで、メジャー・デビューしていました。
まだ10代だった PiCa には大きな夢がありました。それは文化鎖国状態にあった日本を飛び出し、自由に世界を駆け巡ること。
当時、日本人が欧米で成功した前例がない中、世界に飛び出すためには、国内の活動を全て休止する必要がありました。
また、お金がなければ、そんな危険な旅に出ることも不可能です。

活動を休止すると、当時の若手女性シンガーたちのゴースト・ライターとして、作曲家としての活動を本格化。ヒット曲を量産したことが、心の奥で自信になっています。

現在でも、ゴースト・ライターこそしていませんが・・・ 作曲家としての仕事を数本、抱えています。
ゴースト・ライターとして、名誉と引き換えに資産を得た PiCa にも守秘義務があり、日本国内で表舞台に立つことは難しくなりました。

日本の芸能界は、ヤクザが支配する黒い世界。そのヤクザに唾を吐いて、海外へ行った以上、戻る場所なんてない覚悟で臨んでいます。

しかし、2011-2012のワールド・ツアーを終えると国内復帰のチャンスが訪れ、新たなギタリストを迎え、リハに励んでおりました。ところが、そのギタリストは1曲も満足に覚えることなく、バンドを去り、同時にビジネスにおける我々の信用も失墜したのでした。

現在、Ant1nett は、バンドでもありますが、個人のプロジェクトでもあります。
「もう、これ以上、他人に楽曲を汚されたくない」のでメンバー募集もしていません。
そんな中、MISAKI Sakura との運命的な再会を経て、今再び、ライブへの意欲が少し沸いてきたところです。

―――カリフォルニアのコンヴェンションAM2において、6月にあなたたちと共にKazhaというロックバンドも演奏しました。彼らのスタイルやパフォーマンスについてあなたの意見を聞かせてください。

ごめんなさい。覚えていません。

―――ルーマニアでの滞在はどのように感じられましたか?またいつかルーマニアに戻りたいですか?

滞在中は、良くも悪くも刺激が多く・・・ 小説を執筆するには最高のロケーションだと思いました。
前述の通り、状況が許せば、来年にでもルーマニアに戻りたいと思ってます。
ただ、それは PiCa の決めることでは、ありません。

個別インタビュー MASANORI "PiCa" Yabuki


―――現在のリハーサル状況は、いかがですか?

Recording の方は順調ですが・・・ バンドとしてのリハは、ほとんど進行してませんね。

―――独特な音楽をライブで、どうやって表現しますか?

Recording を超えるライブは、よほどの技術と才能がないと難しいでしょう。
個人的には・・・ 中途半端な演奏するくらいなら、エアー・バンドと割り切って、パフォーマンスに徹するプロ意識も必要かと思い始めています。

―――スターになった今でも、ファン・サービスは出来ますか?

望まれるなら、まあ。でも、ファンの方とは趣味が合わないからなあ・・・

―――大きな会場と小さな会場のどちらを望んでいますか?

ライブ自体が嫌いです。でも、そろそろ「やらねばならぬ」時期ですかね。

―――あなたたちの音楽のコンセプトについて、もっと教えてください。

先にも述べたように、狂った優雅・・・そして、革命。
根本的なものが異なるので、他の日本のバンドと一緒にされることが嫌で仕方ありません。
そのためには現在、約20万人いるファンを何倍にも増殖させ、完全に国籍不明の Artist にならなければなりませんね。

―――2016年の計画としては何がありますか?例えば、新たなツアー、または新曲リリースなどをお考えでしょうか?

今年(2015)の年末に 2nd full Album "Kiss and Goodbye" をリリースします。
また、現在、執筆中の小説 "No smoking hotel" の完成と同時に 3rd full Album "No Smoking Hotel" を2017年にリリースする計画です。来年(2016)は状況が許せば、ツアーに出たいと思ってます。

―――ファンに伝えたいことがありましたらどうぞ。

PiCa is the best!!

個別インタビュー MISAKI "Cool" Sakura


―――現在のリハーサル状況は、いかがですか?

今回のツアーからの参加なので、たくさんの曲を覚えてるのが大変です。

―――独特な音楽をライブで、どうやって表現しますか?

ライブは、僕の得意分野なので、衣装やメイク、ステージングで魅せて行きたいです。

―――スターになった今でも、ファン・サービスは出来ますか?

Facebookでは、ファンの方を身近に感じていられ楽しんでいます。

―――大きな会場と小さな会場のどちらを望んでいますか?

どちらも、好きです。どちらもやっていきたいです。

―――あなたたちの音楽のコンセプトについて、もっと教えてください。

ボーカル yabuki独自の世界観が Ant1netの魅力であり音楽コンセプトの全てです。

―――2016年の計画としては何がありますか?例えば、新たなツアー、または新曲リリースなどをお考えでしょうか?

はやく、Ant1netのメンバーとしてツアーに出てみたいです。

―――ファンに伝えたいことがありましたらどうぞ。

新しくギタリストとして加入した美咲です。早くファンの方に会いたいです。

個別インタビュー MOKKO "Hot" Lee


―――現在のリハーサル状況は、いかがですか?

New guitaristを加えての全体リハーサルを早くやりたいですね。

―――独特な音楽をライブで、どうやって表現しますか?

このバンドにとって非常に難しいテーマなのですが、音源を超えるライブは最終目標です。

―――スターになった今でも、ファン・サービスは出来ますか?

ただのバンドマンなのでスターではないです。

―――大きな会場と小さな会場のどちらを望んでいますか?

今の心境的には、スタート地点に立つという意味で、小さな会場でやりたいです。

―――あなたたちの音楽のコンセプトについて、もっと教えてください。

独特の世界観、斬新なアレンジ、それを支えるリズム、グルーブ感。

―――2016年の計画としては何がありますか?例えば、新たなツアー、または新曲リリースなどをお考えでしょうか?

とにかく、地に足のついた活動をしたい。条件が整えばツアーも考えたいです。

―――ファンに伝えたいことがありましたらどうぞ。

あなたの街で会いましょう!