むらかみだいあり

買ったものとかおんがくとかの記録。2003年以前は手元に残っているもののみ。

マリアと繋がりギャ「名古屋グルメを食べに来たついでの無料ワンマン(笑)」@名古屋HOLIDAY NEXT

きっかけは偶然だった。とあるフォロワーさんのツイートを見つける→そういえばこの前ライブやったってブログを書いてたはずだから見に行こう→え、マリア様と共演したの?→マリア様のブログへ→ハ? あした名古屋? 無料ワンマン? 先着50名様にマリアが最近ハマっているレトルトカレープレゼント?

マリア様は知る人ぞ知るビジュアルインディーズの異端ボーカリスト。特徴を端的に表しているのがこの動画だと思う(ニコニコ動画注意)。

一度観てみたくて、何かの用事で東京に行く日に公演やってないかとスケジュールをたまに見るくらいはしていたので、しごとの進捗に問題があったとはいえ、この好機を逃すわけにはいかないと思い行ってきた。しごとを中抜けしての参加だけに、正直カレーは要らない。開演ギリギリに行けば(人が入って捌けて)カレーをもらわないで済むかな?とも思ったが、「名古屋で50人も入るわけない」とはなるほどその通りである。

会場には5分前に入る。当然のように配られるカレー。もらった半券に記されている番号は「011」…。そうかこの時刻でこれしか捌けていないのか。ホールに入ってまず目に飛び込んだのは「関係者席」と書かれた仕切り。前方と後方が小段で区切られている、その後方をすべて関係者席として立ち入らせない大胆なレイアウト。関係者は、もちろん一人もいない。

会場を見渡す。気付くのは男性の多さ。女性は…3人。男性は…6人!? その後2人くらい入ってくるが、ともに男性。バンギャル男ですらない、普通の男性がほとんど。メイクをして黒レザーに身を包んだ男子が一人いたが、彼とて髪型は普通で、後ろから見ると全く違和感がない。もう一つ目に飛び込むのが、床の1/3ほどを埋める風船。何だこれ。風船によるポップ感の演出? よくわからないままほとんど押さずにスタート。幕が下りるとステージ中に張り巡らせた電飾がキラキラ輝く。着席のまま動かないお客。ただ一人、レザー男子だけが立ち上がって中央へ向かう。

マリアと繋がりギャ、という名義はマリア様と仔マリアの2人組のユニットだった。ダメージも露わなおなじみのレインボーヘアと大阪のおばちゃんのような薄い生地のTシャツとスパッツ、タイツに身を包むマリア様と、ピンクのツインテールにメイド服、マスクという出で立ちの仔マリア。マリア様は背が高い。太い太い言われていたように思うが、思ったより太くない。ただ、腕を上げたりジャンプしたりすると、Tシャツの下のお肉がこぼれる。ソーキュート。仔マリアはちんまい。ステージに上がるのがこの2人だが、ボーカルはマリアのみ、演奏はすべてPAによるCD再生なので、仔マリアが楽曲ですることは基本的にない。強いて言うなら振付と咲き。ふたりの関係性だが、「マリアと繋がりギャ」という名義がリアルでもそうなのかな、と思う。お客の茶々に「まだヤッてない」と言ってたけど、少なくとも付き合ってはいるんじゃないかと思う。そういうのが随所に垣間見えるMCであった。

さて、静まり返る客席を意に介さず、歌って踊るマリア様。あれ、思ったより歌うまい…? 低音はきちんと出るし、特に音程が狂っている感じもない。ファルセットからさらに上のハイトーンも出してなかなか調子が良い様子。彼の代名詞とも言えそうなハイトーンが出ると、下手最前で座っていたバンギャルっぽい女子2人がゆっくり手を叩きながらバカ受けする。ハイトーンはやっぱり笑ってしまうね。のちに、これが「超音波」(マリア様MCによる)であることが判明する。ギターソロになるとウクレレ型のギターに持ち替え、モニタに片足上げてソロを披露するマリア様。もちろん弾いてない。

1曲終わるごとにだいたい長めのMC。地声がいい声である。マリア様が喋って、仔マリアが茶々を入れるというのが基本の流れ。ネタが豊富でけっこう面白い。紙をもっていって、ひとつひとつメモをとっておけばよかった…。まあ全体的には寒さが面白いタイプのMCなんだけど、お客の反応があろうがなかろうが、極寒のMCであろうが、心折れずにぐいぐい進めていくのはかなりの精神力で、煽り耐性の低いいまどきの繊細なバンドマンはこういうところなら見習っていいと思う。

最初2曲はメロディアスで真面目な曲だそうで、「座って聴いてほしい」とのこと。その2曲、アレンジは外注だったのだけど、1曲目はXの「Vanishing Love」をパクったアレンジ、2曲目はV2の「背徳の瞳」をパクったアレンジらしい。あまりそういう感じはなかった。「ヴァニシングラブ、知ってる人手ェあげて」で挙手したお客はゼロ。「そうだよな、世代(の違い)だもんな」と言ってたけど、違うんだわたしは名前はもちろん知ってるけど、聴いたことがないだけなんだ!

3曲目からは「そろそろあったまってきたと思うので」、立って前に詰めることを要求するマリア様。誰もコートを脱いでない、外の寒波で冷え切っていた自分の手も一向に暖まってないけど、とりあえず立ち上がって柵前に集まる一同。3曲目はゴールデンボンバー「女々しくて」をマリア様がかなりパクった曲、と言っていたが、言うほど似てない。ただ、ギターソロはまんまパクりだった。この曲含め、しばらくは貢ぐ曲とか貢がせる曲とかセクロスとか、糞麺をテーマにした曲を何曲か披露。

このあたりになるとお客もある程度振付をしていて(自分も飛んだり回ったりしないまでも、手ではちょいちょい参加)、人数の割に一体感があるような雰囲気になっていた。何より上手側の男子のノリがいい。前にいた男子2人がモッシュもヘドバンも折りたたみもガンガンやってノリノリである。終始ニコニコしていたし、そのくらいやると楽しいのではなかろうか。ほら、気兼ねなくやれるだけのスペースもあるし。ところで折りたたみだと自分が思っていたものをマリア様は逆ダイと言ってたんだが、どちらが正しいのだろう。

マリアと繋がりギャは地方グルメを食べに行くためのユニットである、という振りから、「愛知から来た人!」と挙手を求め、おすすめの名古屋グルメをお客ひとりひとりから聞くマリア様。ネタに走るかと思いきや、味噌カツとか天むすとか、真面目に答える客。男子だからな…。自分に番が回ってきたときは「はい、後ろの男の子」と振られる。男の子…。すまんな、マリア様より7つ上なんだ…。で、それまでの流れでちらっと出たもののマウンテンと答えたが、なんとまあ登山経験があるらしい。6時半に着いて(夜行バスで来て直行でもしたのだろうか?)7時過ぎまで店員待ちをしていた、と。登山したはいいが遭難したとのこと。

終盤は「最初2曲とこの曲はまじめな曲」という曲からアル中の曲で本編終了。このあたりで女子が2人増えていて、最終的には女性5人、男性8人だった。アル中曲では実際にマリア様がアルコール(ラベルをはがしていたけど、瓶の形からするとZIMA?)を飲み干す演出もあった。仔マリアの一気コールがそのうちのまねこになっていたのが、世代。

それで終わるのかと思ったら、アンコール、というかアンコールの声なんて当然あがらないしステージの2人も袖に引っ込んでないしで、アディショナルタイムとでも言うのが良さそうな追加パートへ。PAにも知らせていなかったそうで、「白いCDに入れ替えてくださーい」と、バックトラックの入れ替えを指示していた。CDをPAが差し替える間、なぜかマリアVS客席でしりとりがスタート。大人げなく「り」で攻めるマリア様。小学生の時にさんざん「り」攻めをされて、奮起して猛特訓した、と。

最後の曲は敢えて着席を要求して、マリア様を神として崇めなさい的な曲を。事前にちらっとネットのレポで見ていた土下座ヘドバンが敢行された。で、後半は立ち上がってまたいろいろな振りをして、狂乱の中(誇張)終了した。この曲で本当の終了で、「客席に、ダーイブ」とステージから柵を越えてジャンプして客席に飛び降りてきた。その後なし崩し的にお客との雑談タイムへ突入。顔なじみの人も何人かいた様子。写真撮影にも気軽に応じてフランクなマリア様である。物販があって、CDが1枚1,000円、チェキが複数買いでお得になるシステムだったが、買わず。いや、ほんとはCDはあるなら買おうと思っていたんだけど…もったいないなと思って…。

MCで告知がされていたが、次の予定は6月2日、同じホリデイでの無料主催。「13組くらい参加」と言っていたが、当然対バンは決まっていないはずで、この数字の根拠がいまいちわからない。利用料をちょうどいい金額で割った数字か? 3月か4月にホリデイで無料イベントがあるならそれに参加したい、とアピールしていた。このように、マリア様はお金を取るつもりはあまりないもよう。


総じて言うなら、けっこう楽しかったというか面白かった。無料だったというのもあるんだろうが、嫌な気持ちや時間を返せ的な気持ちにはなっていない。ビジュアル系として見たりおかねを払ったりしたらまた印象が違うのかもしれないけど、ビジュアル系の様式を借りたエンターテインメントだと思って、素直な気持ちで受け入れれば案外楽しめるように思った。無料なら一度観ておいてもいいと思う。暴れるスペースが十分にあるので身体を動かして発散したい人にもおすすめ。もちろん、彼の歌声への耐性が必要にはなる。

あと、ステージに立つ人が楽しそうにやることは大事だな、と思った。そりゃマリア様は下ネタが多くてMCというより雑談っぽいところはあるけれど、お客に媚びるわけではなく、自分が言いたいことを素直に言って、自分がやりたい曲を演るところがあるので、晴れやかというか、純粋な笑顔でやれていて、そこがいい。何だかんだでその空気がお客に伝わると思う。完全なインディーズってこういうことじゃないかな、と。普通のバンドがここまでしがらみなく、何も気にせずやれることはないのだろうから、それはマリア様の強みなんじゃないかと思った。この点については、見たことないけどyayoi様もそうなのかもしれない。

以下、随所に挟まれたMCを箇条書きで。順不同。
・MCを鵜呑みにするならマリア様は現在29歳、5月で30歳
・最前のバンギャル風女子2名は愛知から来たわけではないよう(岐阜か三重?)で、どこから来たかマリア様の問いに答えないので、マリア様「おっ、じゃあ小笠原諸島からだなー?」客「」
・電飾のセッティングには1時間半かかったそう。「キラキラ系のバンドよりもキラキラ系!」。電飾はクリスマス直後に仕入れて安かったとのこと。
・マリア様が電飾をセットする間、仔マリアは風船を膨らませていた、と。「50人 60人分の風船。今回は風船も動員だから!」。つまり今回の動員は60人 70人くらいらしい。
・以前マリア☆カンパニーで日曜に公演を行ったときに来たのが11人だったので、ド平日の今回は3人くらいかと思っていたマリア様、思わぬ盛況にご機嫌。
・名古屋遠征に向け、ドンキホーテで一番大きいトランクを買い、荷物を詰めたら約20kgになって2Fの自分の家の出し入れすら大変だった、と。名古屋入りしてからのタクシーの運転手ら、会う人会う人に「何入ってるんですか、大丈夫ですか」と心配される始末。ちなみに、荷物のうち約10kgは配布用のレトルトカレー
・夜行バスで名古屋入りしたマリア様、休憩のパーキングエリアで3,400円のうなぎを発見。車内で食べようかとも思ったがやめる。
・昔はいろいろとバンギャルを食べた(食ったじゃなく食べたと表現)マリア様、最近は食べ物にしか勃起しない。食べるときはだいたい勃起している。
・一時期油そばにハマっていたマリア様。あまりに好きすぎて仔マリアが嫉妬。「私は相手が男であろうと○○であろうと嫉妬する」(○○が何だったか忘れた)。
CoCo壱番屋の10辛が甘く感じるくらいに激辛料理が好きなマリア様でも大須の某台湾ラーメンの10倍はやばい。
・今回配布のレトルトカレーは(触れ込みどおり)マリア様がいまハマっているもの。激辛だと食べられない人もいるだろうからと、中辛。
・「パセリ(名古屋にあるとんかつの店)いいよね! きょうも終わったらパセリ行く、胃が痛いけど」
・前日くらいから胃が痛いマリア様、普段はウイスキーのロック以下では呑まないくらいだけど、少しアルコールを控えており、本番前もワインを1本開けた程度。
・「ホストホスト!」という客からのツッコミに対し「今はやってない」。
・武道館で「売れてない麺です!」と言ってフライヤーを配ったマリア様、いつもの倍くらい貰ってもらう。同情がフライヤーを貰ってもらうポイントなのだと感慨深げ。

追記:マリア様がライブのことを書いてた → http://ameblo.jp/tyouzetumaria/entry-11451585289.html
セットリストは仔マリアブログに書いてた → http://ameblo.jp/komakoma07ria/entry-11451588203.html
マリア様、「男性のお客様がたくさん来てくれて」って書いてるけど、8人だかんな!