むらかみだいあり

買ったものとかおんがくとかの記録。2003年以前は手元に残っているもののみ。

宝塚歌劇団星組公演「ハプスブルクの宝剣」@宝塚大劇場

座席は2階B席、後ろが当日B席というところ。かなり後方だが、2階席の傾斜はきつめで前が壁になることはない。斜めから見下ろす形で、けっこう見やすい。舞台にオーケストラピットが見える。生演奏なのか。なんとなくそういう気はしていたけど、いざ見るとやはり少し驚く。ビブラスラップやフレクサトーンを使う場面もあって、おおおおと内心興奮。ただ、生演奏じゃなしに録音を流していたところもあったっぽい。舞台の奥行きはかなりあって、普通のホールの2倍くらいか。前半分で舞台、後ろ半分でセットチェンジということが可能。真ん中には回転台があって、派手に回る。回転台を使った流浪の表現はなかなかおもしろい。機械式の昇降台もある。
舞台は第1部の演劇パート90分→30分休憩→第2部のレビュー60分という流れ。演劇は1740年前後のオーストリアの動乱の史実を下敷きに、主人公の活躍を描いたうえで最後に自らが生きる意味を見出すもの。宝剣を求めたヒロイックファンタジーではなかった。主人公の存在が、ハプスブルク家にとっての宝剣である、というだけのことだった。しばらくの間、話についていくのが大変だったが、人間関係がわかってからはスムーズ。ハプスブルク家に入っての活躍を描く場面がよかったと思う。ほらぼく男子だし、RPG好きだし。原作は未読だけど、原作のボリューム配分もこんな感じなのだろうか。青年期のエリーを描くのに時間を要しすぎている気がしないでもない。レビューはラヴェルの「ボレロ」をモチーフにしたダンスとか何とか。途中モノローグが何度も流れたが、散文詩調の感じでは何が何やらさっぱり。何を言おうとしていたのか。さらにボレロは曲が曲だし、途中で少し寝てしまった。妻はレビューを喜んでいたが、自分としてはレビューの時間は短くてもいいな。ビラを見た感じ、演劇パート120分+レビューパート30分という公演もありそうだから、そっちのほうが楽しめるかも。
主人公というか男役トップの柚希礼音はめちゃくちゃ歌が上手くてびびった。他の組のトップもこんななんだろうか。凄いな。レビューでもほぼ出ずっぱり。要は2時間半もの間舞台に立ちっぱなしなわけで、それで台詞を喋って歌を歌ってダンスを踊って。ものすごい量の稽古を積んでいるのだろうと気が遠くなる。対して娘役トップの夢咲ねねはそもそも役柄があまり魅力的でなく、こんなものなのかしらと。キャリアの差はもちろんあるにしても、少し食い足りない気がした。