むらかみだいあり

買ったものとかおんがくとかの記録。2003年以前は手元に残っているもののみ。

三浦騎手は武豊騎手を超えられるのか

10年に1人の逸材だとか新人最速ペースで勝利を重ねているとかいずれ武豊を超えるとか天才とかいろいろ言われている美浦期待の星、三浦皇成騎手。先週で31勝に到達し、早くも減量は3kgから2kgへ。ここ最近の新人の中で出色のペースで勝ち星を重ねているのは誰の目にも明らかだが、果たして内容的には他の騎手と比べてどんなものなのか。比較してみた。比べてみたのはよく引き合いに出される武豊、三浦が破るまで31勝最速記録を持っていた福永(約1ヶ月の騎乗停止あり)、最近の新人で最も勝っていた藤岡佑(約1ヶ月の騎乗停止あり)。集計期間は3月のデビュー〜6月末の4ヶ月間とした。

<総合>

着別度数勝率連対率複勝
三浦皇28-24-14-23-25-161/27510.2%18.9%24.0%
武  豊22-25-19-15-23-102/20610.7%22.8%32.0%
福永祐25-24-18-21-13-114/21511.6%22.8%31.2%
藤岡佑17- 4- 6- 9-12- 83/13113.0%16.0%20.6%
<芝>
着別度数勝率連対率複勝
三浦皇 7-11- 8-11-14-90/1415.0%12.8%18.4%
武  豊12-10-11-10-10-50/10311.7%21.4%32.0%
福永祐11-11- 8-10- 5-69/1149.6%19.3%26.3%
藤岡佑 6- 3- 1- 4- 7-39/ 6010.0%15.0%16.7%
<ダート>
着別度数勝率連対率複勝
三浦皇21-13- 6-12-11-71/13415.7%25.4%29.9%
武  豊10-15- 8- 5-13-52/1039.7%24.3%32.0%
福永祐14-13-10-11- 8-45/10113.9%26.7%36.6%
藤岡佑11- 1- 5- 5- 5-44/ 7115.5%16.9%23.9%

三浦の勝利数は圧倒的な騎乗数による感は否めない。率ベースなら武豊や福永には及ばず、藤岡並み。その藤岡も、この騎乗数でこの勝ち星は大健闘の部類。どこかで聞きかじった「ダートは減量が非常に効く」という傾向は三浦は他の3騎手以上に色濃く出ており(GC先週の結果分析」でも触れられてた)、この先芝でどうなるか注目。武豊はこの時点で芝ダともに遜色ない成績で、天才(緒論あるだろうけどそういうことにしておく)の片鱗が見える。こう見ると、三浦に限らず新人は芝よりダートで狙うべきなんだなあ…。

<減量なし>

着別度数勝率連対率複勝
三浦皇2-2-0-4-7-36/513.9%7.8%7.8%
武  豊0-4-3-1-4-12/240.0%16.7%29.2%
福永祐6-7-3-1-2-38/5710.5%22.8%28.1%
藤岡佑1-0-0-1-0-16/185.6%5.6%5.6%
<減量あり>
着別度数勝率連対率複勝
三浦皇26-22-14-19-18-125/22411.6%21.4%27.7%
武  豊22-21-16-14-19- 90/18212.0%23.6%32.4%
福永祐19-17-15-20-11- 76/15812.0%22.8%32.3%
藤岡佑16- 4- 6- 8-12- 67/11314.2%17.7%23.0%

この時点で減量なしで2勝というのは十分健闘の部類だろうが、福永に比べると霞む。率で見てもやっぱり藤岡程度(藤岡は減量なしの騎乗回数が少なすぎるけど)という感じ。というかデビュー時の福永が神。デビュー実質3ヶ月で減量なしで6勝ってどういうことだ。これだけの鮮烈さでありながら現状がアレというのが不思議。大怪我の影響かしら。
減量ありの場合の数字は武豊や福永にやや及ばない程度で優秀ではある。ただ、この2人は21勝から2kg減という条件で△の成績も含むので、そういう意味では三浦ももう少しやれても、と思わんでもない。初勝利が特別戦という派手さに気付いていなかったが、そもそもほぼ減量でしか勝ってなかったんだな…。特別の三浦は評価しすぎないようにしないと。重賞も馬券になるまでは三浦だから買うというのは避けた方がよさそう。

<1番人気>

着別度数勝率連対率複勝
三浦皇 9-4-4-1-4-7/2931.0%44.8%58.6%
武  豊 7-4-0-0-0-3/1450.0%78.6%78.6%
福永祐 11-5-4-5-1-8/3432.4%47.1%58.8%
藤岡佑 2-0-0-0-1-1/ 450.0%50.0%50.0%

三浦は普段見ていて過剰人気かと思っていたが、福永と大差ない成績なので、新人の1番人気というのはだいたいこのへんに収束していくのかもしれない。ただ、全体の1番人気の率(勝率約33%、連対率約50%、複勝率約65%)と比べると若干良くないので、やはり多少は人気先行のところがあるもよう。藤岡は1番人気の回数が少ないが、2番人気で11鞍中9勝というとんでもない成績を挙げているので、人気に応える度合いはこの時点では藤岡がいちばん優秀かもしれない。過剰人気になっていないというだけか。あと武豊の持ってくる頻度がさすが。

当然、三浦が武豊より上と言っていいのか、競馬サークルも煽りすぎじゃないか、と懐疑的なスタンスからスタートしたわけだが、うーん、この現状を見るに、関東ではいずれリーディング争いだろうけど、武豊超え(武豊以上の実績を残す)というのはどうだろうか。もちろん関東と関西の差、昔は21勝から2kg減、開催場、馬そのものが勝負になるか否か、等々さまざまな違いがあり、いま乗っている状況も各調教師の意向が多分にあるだろうからまったく同条件での比較はできないにせよ、やや過剰評価かなあという気がしてきた。大和田厩舎の馬を勝たせた時点でこの騎手は只者ではない、という判断はしているのだけど、総力を挙げて持ち上げるほどでもないのかなあという印象を持った。