豊作のような気がする今年の新人騎手

今年の新人は豊作だった。まず田中健と藤岡康が好発進を決め、荻野琢はなかなか勝てないながらも有力厩舎からの依頼が多いところが目を引いて、夏以降は人気で3着、人気薄でも3着という浜中が大活躍して、と多士済々。栗東所属組は勝ち星が一番少ない大下でも8勝という大当たり年。と、ここまで見て豊作なのは栗東だけ（美浦は一番勝っている宮崎でも大下と同数）ということに気付いたが、まあそのまま進める。
彼らに対する実感としては、騎乗数がやたら多いこと、成績も良好であること。ということでそれが実際の数字としてはどんなものなのか、過去5年以内にデビューした新人（地方移籍組と復帰の西田を除く）の初年度成績を拾い上げた。

＜新人騎手初年度戦歴(デビュー年3月〜12月)＞

	騎手	着別度数	勝率	連対率	複勝率	単回	複回	デビュー	通算勝利	所属厩舎
	藤岡佑介	35- 22- 32-343/432	8.1%	13.2%	20.6%	93	67	2004	205	作田
	長谷川浩大	28- 18- 23-303/372	7.5%	12.4%	18.5%	131	69	2003	158	中村
	石橋脩	25- 26- 25-310/386	6.5%	13.2%	19.7%	147	87	2003	160	柴田人
▲	藤岡康太	24- 22- 32-376/454	5.3%	10.1%	17.2%	61	62	2007	24	宮
	北村浩平	22- 22- 17-291/352	6.3%	12.5%	17.3%	46	67	2003	55	田所秀
▲	浜中俊	20- 25- 43-271/359	5.6%	12.5%	24.5%	85	88	2007	20	坂口大
	鮫島良太	16- 27- 18-229/290	5.5%	14.8%	21.0%	58	64	2005	118	松田国
	川田将雅	16- 9- 17-213/255	6.3%	9.8%	16.5%	59	78	2004	172	安田隆
▲	田中健	14- 20- 14-308/356	3.9%	9.6%	13.5%	60	58	2007	14	浅見
☆	北村友一	14- 15- 10-252/291	4.8%	10.0%	13.4%	50	91	2006	59	田島
△	的場勇人	12- 8- 10-248/278	4.3%	7.2%	10.8%	70	52	2006	39	的場
☆	大野拓弥	11- 16- 15-268/310	3.5%	8.7%	13.5%	70	84	2005	70	杉浦
▲	荻野琢真	11- 14- 12-218/255	4.3%	9.8%	14.5%	24	59	2007	11	大久保龍
	松岡正海	11- 13- 11-236/271	4.1%	8.9%	12.9%	66	90	2003	180	前田
☆	塚田祥雄	11- 9- 10-198/228	4.8%	8.8%	13.2%	53	41	2005	71	藤沢和
▲	小島太一	9- 11- 9-139/168	5.4%	11.9%	17.3%	44	49	2005	29	小島
	高井彰大	9- 9- 14-154/186	4.8%	9.7%	17.2%	62	109	2003	28	新川
	丹内祐次	8- 15- 10-217/250	3.2%	9.2%	13.2%	60	64	2004	57	清水美
▲	田中克典	8- 13- 16-275/312	2.6%	6.7%	11.9%	18	69	2006	20	山内
	生野賢一	8- 12- 16-137/173	4.6%	11.6%	20.8%	31	65	2003	58	音無
	津村明秀	8- 9- 11-212/240	3.3%	7.1%	11.7%	53	61	2004	104	鈴木伸
▲	宮崎北斗	8- 6- 9-222/245	3.3%	5.7%	9.4%	72	52	2007	8	高市
▲	大下智	8- 4- 9-153/174	4.6%	6.9%	12.1%	171	93	2007	8	梅内
	加藤士津八	7- 14- 12-187/220	3.2%	9.5%	15.0%	124	77	2003	18	国枝
	南田雅昭	7- 8- 10-191/216	3.2%	6.9%	11.6%	51	73	2003	25	加藤修
	佐久間寛志	6- 10- 4-201/221	2.7%	7.2%	9.0%	27	30	2003	22	鹿戸明
▲	田村太雅	5- 5- 6-145/161	3.1%	6.2%	9.9%	243	66	2006	6	佐藤正
△	田中博康	4- 8- 8-203/223	1.8%	5.4%	9.0%	11	42	2006	48	高橋祥
▲	佐藤聖也	4- 8- 5-165/182	2.2%	6.6%	9.3%	59	81	2005	15	根本
▲	船曳文士	4- 5- 11-156/176	2.3%	5.1%	11.4%	99	77	2006	10	加用
▲	丸田恭介	3- 9- 5-110/127	2.4%	9.4%	13.4%	26	77	2007	3	宗像
	水出大介	3- 7- 6-165/181	1.7%	5.5%	8.8%	29	58	2004	15	矢野進
▲	草野太郎	3- 4- 2- 90/ 99	3.0%	7.1%	9.1%	41	81	2007	3	坂本
	吉田隼人	3- 2- 6-188/199	1.5%	2.5%	5.5%	25	40	2004	159	堀井
☆	中村将之	2- 9- 7-137/155	1.3%	7.1%	11.6%	13	76	2005	54	谷
	上野翔	2- 8- 2- 99/111	1.8%	9.0%	10.8%	20	35	2004	30	飯田雄
	高野和馬	2- 3- 7-121/133	1.5%	3.8%	9.0%	46	74	2004	5	小桧山
	鈴木慶太	2- 2- 8-106/118	1.7%	3.4%	10.2%	19	32	2003	7	藤原辰
▲	黛弘人	2- 0- 5-186/193	1.0%	1.0%	3.6%	13	26	2006	4	中野栄
▲	千葉直人	1- 3- 8-107/119	0.8%	3.4%	10.1%	8	82	2006	4	成島
▲	池崎祐介	0- 1- 2- 68/ 71	0.0%	1.4%	4.2%	0	29	2007	0	池上

※黄着色は今年30勝以上、青着色は新人騎手。騎乗回数300回以上、勝率5%、連対率10%、複勝率15%、単複回収80以上、通算100勝以上が太字。

最近の新人騎手の傾向として、初年度に10勝くらいしていればよほどのことがなければその後安定して活躍できると言えそう。そういう意味では、栗東組は来年以降も期待できるのではないか。浜中と藤岡康は勝率・連対率・複勝率も優秀で、とくに浜中は序盤から順調だった康太と違って自ら道を切り開いてこの成績だけに、かなり評価できそう。複勝率は最近の新人騎手では断トツトップという優秀さだ。「勝ち切れないけど馬券になる」というのは勝てば即昇級の現行システムにおいては調教師や馬主にとって非常にありがたい存在のように思われる。まだ3kg減だし、今後もますます依頼が増えそう。
まあ何が言いたいかというと浜中最強ということですよ。