むらかみだいあり

買ったものとかおんがくとかの記録。2003年以前は手元に残っているもののみ。

Eliphas Levi「マロリー夫人の秘やかな欲望」

豊富なようつべライブラリーを使ってビジュ系バンドのことを書いてみようという突発企画。タグも新しくつくってみた。いつまで続くかわからんという思いがあるので、出し惜しみせず目に付いたところをガンガンつぶしていこうと思う。ということで1回目にまったくふさわしくないところから行ってみる。こんなのも見られるんだなあ…というような曲から。

98〜99年頃のバンド。見ての通りのゴシック調で、ボーカルは「唄人」という名義だった。アルバムはミニ2枚とボーカルが抜けてインストミニ1枚。「美しき残酷世界」とかいうコピーを多用していたと思う。ドラム(ある時を境に目元メイクがおかしくなる)は元ラレーヌ。思い返せばワンマンを見たこともあるバンド。よくわからん演劇を披露していた。以前知人に説明するのに書いた「マリスミゼルが失敗した感じ」というのは我ながらなかなか的を射ていると思う。
曲は1st「リデルの赤い書物」より。意外と真剣に聴いていた(笑)頃だし、彼らの中ではいちばん好きな曲だし、懐かしいというか見ながら普通に唄える。小道具として仮面があるくらいで特別な設定もなく、白い背景で演奏するだけというのが予算のなさを物語っているが、黒及び赤という色を際立たせるためにはかえっていいかも。サビらしいサビはないまま淡々と進むのだが、一旦緩んで台詞が入り、大サビで今までとは異なるメロディーラインをぶつけるというある種この系統王道の展開。声を裏返すのは仕様。ボーカルの不安定さ、力のなさは爽快ですらある。改めて聴くとジュビアのカオルっぽい。 唄人が後にボーカルをとったピーボやVinettは聴いたことがないが、曲調が違うはずのそれらのバンドでもこういう感じなんだろうか。ドラムの音がスッカスカなのも仕様。鍵系(泡沫バンドを多数抱えたキーパーティー)の中でもおかしな音で、ミックスなりマスタリングなりを誤ったんではないかと思ってしまう。メンバーにキーボードはいないが、安っぽいオルガンやシンセで雰囲気作りをするのはこういう見た目のバンドにありがち。ただ、ようつべのコメント欄を見るとやたら評価が高い。本気なのか。こういうのも海外で受けてしまうのか。

ほかに見られるこのバンドのPV
赤い迷宮
http://www.youtube.com/watch?v=uyqmqKbNlvM
彼らの曲でもっとも激しく、そして短い曲。"great indie band"とのキャプション(笑)
華麗なるDの惨劇
http://www.youtube.com/watch?v=WWZfVrtvu-U
気の抜けたボーカルからゆったりめのツタツタへ流れる劇的な曲